科目名 (英語表記) |
比較政治2 (Comparative Politics 2) |
担当教員 |
木場 紗綾 准教授 |
---|---|---|---|
定 員 |
若干名 | 単位数 |
2 |
大学名 |
神戸市外国語大学 | 連絡先 |
教務入試班 TEL:078-794-8133 E-mail: kyomu@office.kobe-cufs.ac.jp |
開講学期 |
後期 | 開講期間 |
9月19日~2月9日 |
曜日・時限 |
木曜3限 | 教 室 |
未定 |
履修条件 |
昨年度以前に受講して単位を得た人は受講不可 | キャンパス |
なし |
授業形態 |
対面授業 |
||
授業方法 |
講義 | ||
学習目標 |
社会科学的なものの見方を身につけることを目標とする。「なぜ」という疑問をもとに、論理的に原因を推論している先行文献に多数触れ、受講生自らがそのような思考を経験することを目指して授業を組み立てている。 | ||
授業概要 |
比較政治学(Comparative Politics)は、世界各国の国内政治を分析対象とし、「なぜ」という疑問をもとに、原因を推論する学問である。後期のテーマは「モデルを失う民主主義」である。20世紀以降の民主主義をめぐる議論(ソーシャル・キャピタル論、選挙や政党などの制度に着目する議論、そして、市民社会や社会運動の構造分析、近年の排外主義の台頭)を議論する。前期「比較政治1」では、開発途上国が民主化を達成できない理由を考察した。しかし、西側民主主義諸国の民主主義もまた、揺らいでいる。民主主義は社会の分断にどう対応できるのだろうか。本科目は、先進国‐途上国の差異、あるいは、民主主義国‐権威主義国の差異を超えた比較の視野を提供する。 | ||
授業時間学習 以外の学習 (準備学習含む) |
レポートには早めに着手し、まず、問いを定めること。文献や資料に、精力的に目を通すこと。 アカデミック・ライティングのマナーを身に着けることは前提とする。 |
||
評価方法 |
期末レポートで100%評価する。出欠は確認しないが、期末レポートは「比較政治」の考え方を理解しているかを確認するものであるから、授業を聴いて理解していない学生には上記レポートの執筆は困難であると思われる。レポート論題や字数、締め切り、評価基準などは、第1回の授業時に提示するが、おおむね次のようなものを想定している。 ――――――――― ①以下から1つ以上の概念を選び、②先行研究を引用しつつその概念を定義し、③操作化された客観的な測定指標を1つ以上提示し、④そのテーマについて一見不可思議な 「パズル」である「なぜ」または「どの条件が」(whyまたはwhat makes…)」で始まる問いを立て、⑤その「問い」に答えようと試みている先行研究(アカデミックな書籍や論文、信頼に足る専門家の論考、シンクタンクの論説記事、大手新聞社の論稿など)を2点以上引用して論述せよ。なお、2つ以上の国や地域を選択する必要はなく、1つの国や地域について論じて構わない。本科目の重点は「比較する」ことではなく「原因を推論する」ことにある。【概念の選択肢:寄付、ボランティア活動、ソーシャル・キャピタル、政治参加(ただし、投票率以外)、政党、利益団体、NGO, 社会運動、国家-NGO関係、社会的企業、排外主義、徴兵】図表や参考文献リスト、脚注を含まず3,000-5,000字程度。執筆者自身の主張は不要。アカデミック・ライティングのルールを踏まえ、先行研究を丁寧に引用すること。レポートを提出したからといって単位が取得できるわけではない。なお、12月から1月にかけて、期末レポートに関する相談会を何度か、対面およびオンラインで実施する(参加自由)。 |
||
教科書 |
教科書は指定しない。必読資料および入手方法は、随時、授業で指示する。 | ||
参考書 |
善教将大ほか(2025)『政治意識研究の最前線』法律文化社. 粕谷祐子(2014)『比較政治学』ミネルヴァ書房. 松林哲也(2023)『何が投票率を高めるのか』有斐閣. 坂本治也編著(2023)『日本の寄付を科学する:利他のアカデミア入門』明石書店. 坂本治也編(2017)『市民社会論』法律文化社(特に「第3章 社会運動論」「第6章 ソーシャル・キャピタル論」「第7章 ボランティアと寄付」「第16章 排外主義の台頭」 後房雄・坂本治也編(2019)『現代日本の市民社会』法律文化社 より特に「第4章 サードセクター組織の政治・行政との関係性」「第12章 社会運動を受容する政治文化」「第13章 市民社会への参加の衰退?」) |
||
特記事項 |
講義では、日本の政治・社会にも言及するし、途上国に対する国際協力、開発援助、人道支援、安全保障といった国際政治のテーマにも言及する。とりわけ、国際協力論(援助論)やNGO, ボランティアに関する先行研究や実践について多く言及するので、そうしたテーマに関心を持つ学生の参加を歓迎する。政治学に関する基礎知識の有無は問わないので、ぜひ、幅広い層の学生に受講してもらいたい。 | ||
授業計画 |
以下のテーマを扱う。時事問題に多く言及し、受講生の関心に応じてテーマを入れ替えることもある。 第 1 回 イントロダクション:比較政治とは何か 第 2 回 寄付をとボランティアをめぐる研究 第 3 回 国防意識の国際比較と徴兵制度 第 4 回 ソーシャル・キャピタル 第 5 回 社会運動① 第 6 回 社会運動② 第 7 回 国家とNGO① 第 8 回 国家とNGO② 第 9 回 ローカル・ガバナンスとNGO 第10回 政治参加の度合いと政治的有効性感覚 第11回 排外主義① 第12回 排外主義② 第13回 レポート執筆に向けて① 第14回 レポート執筆に向けて② 第15回 総括 |
||
申込方法 |